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※救助隊で、逃避行中の出来事

周りを見ると太陽は沈みかけで、すぐにでも暗くなりそうな感じだった。今は足場も不安定な場所のため、これ以上先に進むのは危険だろう。今まで休まず歩いてきたために疲弊しきっていて、さすがにこれ以上は進めそうになかった。一晩くらいは休んでも大丈夫だろうと判断した結果、僕たちは野宿出来そうな場所を近くで見つけ、寝る準備をしていた。
いつの間に用意していたのかわからない寝袋で横になって、僕は考え事をしていた。ずっと歩き続けてきたためか、足が少し痛む。ずいぶん遠くに来て、これからどうなるのだろう、大豆奥部なのだろうかと考えるが、すぐに、泣き言は言ってられないと思い直す。僕は、例えどんなことでも彼女を信じると決めたのだ。今は、不安な彼女を傍で支えるのが僕の役目。そして、友として出来ることなのだろう。
しかし、思えば彼女と出会ってから、色々な事が起こった気がする。あれほど望んでいた救助隊の結成も、今こうして2人でいるのも、その一環なのだろう。2人でやってきた事は、どれも僕一人ではなしえなかったに違いない。会えてよかったと、僕は正直に思った。
隣の寝袋にいる実葉ちゃんを見ると、彼女はすでに寝息をたてていた。普段は元気な彼女を見ているためか、静かに寝ている姿は新鮮だ。そして、僕は何故かそんな彼女に緊張してしまった。
その事をあまり考えないようにして空を見ると、目に見えたのは綺麗な星空だった。先程見た空は夕暮れだったと思うのに、時は早く過ぎ去っていく。しばらくは星を眺めていたが、僕は目を閉じて寝ることにする。そして、しばらくすると眠りに落ちていった……。

しばらくすると、僕は目が覚めた。まだ星が明るく輝いており、夜明けまでまだ時間がかかりそうだ。隣では、まだ実葉ちゃんが寝ている。いつもよりもどこか幼く見えて、僕は無意識に微笑んだ。そして、彼女をどこか恋しく思っていた。
ああそうか、と僕は思った。
きっと、僕は前から、いや、初めて会った時から実葉ちゃんが好きだったのだ。その事を初めて自覚して、納得する。彼女の喜ぶ顔をもっと見たいと思ったし、悲しそうな顔をすれば僕も悲しくなる。そして、何かが彼女に身に起これば手助けしたいと思っている。それは、友としてではない。ましてや、ただの仲間としてではないのだ。ただ、今はその存在を守りたいと思っていた。1番大切だと思っているから……。
少し心が晴れたからなのか、僕はもう一眠りすることにした。起きたときにはちゃんと動けるように、今はしっかり休まないといけない。そうでなければ、彼女の迷惑になる。いや、それ以前に自分の身も守れないで彼女を守るなんて、おこがましいだろう。次起きたときにはすぐ声を聞けたらいいな、と思いながら、僕は再び眠りについた。
空には変わらず輝き続けている星がある。そして、僕の気持ちも星のように変わらないだろう。

気付けば、それは



炎里→実葉
炎里が、自分の気持ちを自覚したときの話です。
初小説ですが、なんだかよくわからなくてすいません。
書いてて楽しかったのですがね。

20100909




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