再会



リヴァイさんに付いていけばキッチンが隣接する部屋に入った。…懐かしかった。
ここでリヴァイ班のみんなとご飯を食べたり、話したりしたことを思い出す。
つい最近の出来事のはずなのにもう遠い昔に感じてしまった。

部屋の椅子に"ボーッ"と座るエレンがいることに私は気が付いた。
そしてエレンはこちらへと視線を移して私と目が合えば、先程のリヴァイさんと同じように目を見開いた。
「……なまえ?」
「エレン…ただいま。ごめんね、心配かけたよね?」
エレンは椅子から立ち上がり、私の傍へやってきた。
「本当になまえだよな?無事だったんだな…。本当に良かった」
エレンは安心したように微笑んでくれた。その笑顔に私も微笑んだ。
「エレンが無事で私も安心した…。ミカサやアルミン達も無事?」
「あぁ。みんな無事だ!」
その言葉を聞き、すごく安心した。

私がエレンと話している間にリヴァイさんは紅茶の用意をして椅子へと座った。
私もリヴァイさんの横へと座る。

「…おっせぇな。エルヴィンの野郎共…待たせやがって…迎えの憲兵団の方が先に来ちまうじゃねぇか…」
リヴァイさんが紅茶を飲みながら呟いた。
「…大方糞が中々出なくて困ってるんだろうな」
「…兵長、今日はよく喋りますね」
エレンがリヴァイさんを見て言う。
「馬鹿言え…俺は結構喋る。…うっ…っ…ちっ…」
紅茶を飲み干して、テーブルに置けば壁外調査の時に怪我をしたのか足を押さえる姿が見え、私はリヴァイさんを見つめる。

いつリヴァイさんは怪我をしたのだろうか。
きっと私があっちの世界に戻ってからだろう。
何があったかは詳しくまだ聞いてない。

「…すみません。あの時、俺が選択を間違わなければ…こんなことには…」
エレンの言葉に私はエレンを見て、首を横に振った。
「…言っただろうがっ。結果は誰にも分からないと…」

"ガチャ"
リヴァイさんの言葉の後にドアが開いた。
エレンが立ち上がり、私も同じように立ち上がった。
「遅れて申し訳ない…。…なまえ。」
「エルヴィン団長…。ご迷惑をかけて申し訳ありませんでした。…やっぱり私はここにいたいです。調査兵団として…みんなの傍にいたいです」
エルヴィン団長を真っ直ぐ見て、私は言った。
エルヴィン団長は優しく微笑んだ。
「…そうか。いつでも歓迎するよ…おかえり、なまえ」
「…ただいまです」
私はくしゃりと笑って微笑んだ。

エルヴィン団長の後ろからミカサとアルミンが入ってきた。
「…お前ら…」
エレンが呟いた。
ミカサとアルミンは驚いた顔をして私を見た。
「…なまえ」
アルミンが呟いた。
「みんな…心配かけてごめんなさい」
私は深く頭を下げた。
「…なまえが無事なら問題ない。気にしなくていい」
ミカサの声が聞こえれば、私は顔を上げてミカサを見る。
「ありがとう、ミカサ」
ミカサが微笑んでくれた。私は久しぶりに見たミカサの笑顔に嬉しかった。


「…話したいことはいっぱいあるだろうが…まずは話を聞いてほしい。…女型の巨人と思わしき人物を見つけた」
エルヴィン団長の言葉に私とエレンは目を見開いた。
「今度こそ確実に捕らえる!」
エルヴィン団長の言葉に身を引き締めた。


女型の巨人…。
私を掴んだとき女型の巨人と目が合った。
あの目と…あの雰囲気は……アニだった。
どうか女型の巨人がアニではありませんように…。
私は密かにそう願っていた。
どうか私の勘が外れますようにと…。




×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -