誓い



ハンジと一緒に宿舎に戻れば俺の想像を超える出来事が起きた。

帰ってきて欲しい、この世界には帰ってこない方がいい…日々格闘をし続けてきたのに俺の目の前には"あいつ"がいた。

あいつの姿を見て声を聞いた瞬間、俺の中で何が崩れた。
思わず抱き締めればそれはやっぱりあいつの香りで、俺は安心した。
静かに泣き続けるなまえを俺はずっと頭を撫でながら抱きしめ続けた。



どれくらい時間が経っただろうか。
なまえが泣き止み、俺を見る。
「あっ…すみません//」
なまえは恥ずかしそうに俺の腕から離れた。
「…あぁ。俺も悪かった」
ふるふると首を振るなまえに俺は目を細めた。

「そういえば、リヴァイさん!今、私がここからいなくなって何年経ちましたか?」
なまえは焦ったような表情をして聞いてきた。
「…お前がいなくなってちょうど1週間だ」
「1週間しか経ってないんですか?……ありがとうございます」
俺はなまえの表情を見て疑問を投げかけた。
「それがどうかしたのか?」
「…いえ。私が元の世界に戻った時あっちでは3日しか経ってなかったんです。こっちの世界では3年も経っていたのに…。時系列がなんだかおかしくて」
「…そうか」
俺は一言言えばそのまま立ち上がり、ソファーへと腰を下ろす。
「…あの、私がいない間に何かありましたか?」
俺はなまえに視線を移せば首を横に振り、
「特にはなかった。…今日エルヴィン達がここに来る。女型を捕獲する作戦だろうがな」
「…そうですか。…あの…ごめんなさい、私もうこれ以上の未来は知らないんです。だからみんなの役に立てないし、立体機動も下手くそだから…」
「何も気にするな。別にお前が今後の未来を知ろうが知るまいが関係ない。…立体機動だってだいぶうまくなったじゃねぇか。お前はもう少し自分に自身を持て」
俺はそう言い、なまえを見た。なまえは照れたように笑い、小さな声で「ありがとうございます」と呟いたのが聞こえた。


「ガチャ」とドアの開く音がし、そちらを振り向けば満面の笑みのハンジが飛び込んできた。
「なまえちゃーーん!!」
「ハ、ハンジさん!」
俺はため息をしてハンジを見る。
「全く、うるさいやつだな」

「会いたかったよー!本当に無事で良かったよ」
ハンジはなまえに抱きつく勢いだ。
「ハンジさんも無事に帰ってきて良かったです!お疲れ様でした」
ニコニコ笑うなまえを見ながら俺は安心した。
ハンジと嬉しそうに話すなまえから目を離せなかった。


俺はあの笑顔を守ることを密かに誓った。
誰にも言わずただあいつを守ることを…。



「…そろそろ下へ行くぞ。エレンが待っている。それにエルヴィン達も来るからな」
俺はそう言うとソファーから立ち上がり、部屋を出ようとすればなまえが付いてくる。
「あっ、リヴァイさん待ってくださいよ!」
「なまえちゃんまたゆっくり話そう。私はやることがあって行けないが、またあとで」
「…はい!」
なまえの返事が聞こえて俺の後ろを付いてくる。

「おい、ハンジ。…あとは頼む」
「あぁ、分かったよ」
そうハンジに言い、俺はなまえとともに部屋を出た。






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