今日一日はウキウキしっぱなしだ。ウキウキしすぎて授業は聞き流すし、お弁当も忘れてきたし…兎に角散々な一日になってしまった。でも後悔はしていない、今日はそれに相応する位すっごい良いことがあるんだから。
「たっだいまあぁーん!」
ノンストップで走り続けて、あ、バス乗って帰ってくればよかったとか今更思いつつ最近一人暮らしを始めたアパートのドアをおもいっきり開いた。あ、近所迷惑だったかも。若干興奮状態で机に鞄を置いてハンコと財布を準備して座布団に静座した。今重要だったのは正座ではなく静座ってのにしたことだよ、心を落ち着けて静かに座ることを意味してるんだよ…多分。兎に角、玄関をガン見して座ってるあたしははたから見たらただの変な女だろう。いいもんね!あたし一人暮らしだから別にそんなの気にしないもんね!へへーんいいだろ!
「……」
やばい、することない。いや、あるっちゃああるんだけど、なんつーか、することない。どうしよう。チクタクチクタク、一人暮らしを始める際に思い切って買った可愛い時計の針の音が凄くゆっくりに感じる。どうしよう。待ちきれなピンポーン…いや、このタイミングなくね?いまあたし喋ってたよね。いや、実際声出して喋ってたわけじゃないけど、つーか声出して喋ってたらあたし完璧変人じゃピンポーンあーハイハイ解りましたよ!出ます!出ますからアアァァ!
・
・
・
つつつついに届いた!待ちにまったあたしのレンきゅん!何故だか異常に大きい(&重い)箱を恐る恐る開けてみる。どうしよう!あのありがちな二次創作みたいに人間のレンきゅんとかが入ってたら!そして二人のラブストーリーが…
「…え」
え、あ、え、え、…何、あたし頼むもの失敗した?某子供向け忍者アニメの小豆色の忍者の学校の講師の先生のように(解りにくい) 通 販 に 失 敗 し た !? だってだって、愛しのレンきゅんが入ってるはずのダンボールには…
「よォ」
「たっ…たたたかす…ぎッ!?」
なんと無駄に大きい箱に狭そうに入っていたのはありがちな展開のレンきゅんではなく、あたしが通う銀魂高校で最も過激で最も危険な男と謳われるあの高杉だったのだ。同じクラスで数回しか顔を合わせたことは無いけど…なんでこんな所にいんの?え、もしかして高杉って変な趣味s「変な趣味してんのはお前だろ、まさか俺を買ったのがお前だったとはなァ…」
「えっえっ、誤解!あたしはただレンきゅんを…」
「ああ、あいつは忙しいから、代わりに俺が来たんだよ」
「え…?それってどうゆう…」
「…ま、たっぷり歌わせてくれよ?マスター…」
きみの歌
うちに来たのはロリショタの天使ではなく、ツンデレな悪魔でした