どきどきどきどきどき、ずっとあたしの心臓は爆発しそうなくらいに大きく脈打っていた。雪がちらついた寒い日、あたしは緊張からか汗だくだった。
「もうすぐ着いちまうや」
「大丈夫、きっと大丈夫だよ」
そういってぎゅっと握り締める手からはひんやりとした総悟のての感触が伝わってきた。それがあたしに絶妙な安心感をあたえてくれて、本当に大丈夫な気になってきた。
「どっちかが落ちてたら、最低だよね」
「両方落ちるよりショックでさ」
気付いたひとも居るだろうが、あたしと総悟はこれから高校受験の合格発表に向かう。ふたりで一緒に死に物狂いで勉強して、最善は尽くした。もう何も出ないってくらい頭から情報を搾り出した。これから三年間、総悟と一緒に過ごせるかを決める、重大な日なのだ。
「沢山人がいまさ」
「そうだね、 」
あたしの番号と総悟の番号。それはどういうわけか一つ違い。自分の番号の隣に相手の番号がなければバットエンド。もしあれば―――
「「あった!!」」
思いっきり指を差す。あったのだ。勿論、両方。嬉しさから涙ができて、仕方がない。その場で総悟と抱き合うと、総悟の心臓がなかり煩いことに気付いた。総悟も同じきもちだったんだね、ありがとう。これからも宜しくね、だいすき
もうなにも、なにもこわくない
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引用叙唱