今日は家に新開が遊びに来た。
とりとめのないことを話しながら、少し勉強して、休憩しようかなんて言って、ベランダへ続く窓の傍に寄り添って座った。外はまさにうららかな春といった表情で、新開にはこの穏やかな季節がよく似合う。

「いい天気だな」
「うん。あとで散歩に行こう」

新開の体温は高い。こうして手を握っているだけでわかるほどに。
一方私は体温が低めだ。こうして日光が差す場所で日向ぼっこをしていても、体の中心に冷えを感じる。
新開はそれを知っているから、こうして手を握ってくれている。

「おめさんは相変わらずつめたいな」

そう言った新開の顔はいつもと変わらないのに、私は勝手に寂しさに似たものを感じた。内面について言われた訳じゃないとわかっているのに、体の中心がつめたいのは事実だったから、意味もなく傷がついた。
あたためて欲しい、なんて浅はかな期待を声に込めてみる。

「太ももの内側をあたためると、体全体が温まるんだって。」
「へえ、試してみるか?」

全てわかっているかのように笑う。事実、私の考えていることなんて筒抜けなのかもしれない。身体を新開にぴたりとくっつけて、窓から流れ込む春の匂いを嗅いだ。

「つまりそういうこと?」
「そういうこと、だな」

だれかさんはあたたかい


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