佳主馬くんは、私が黙れば黙るほど積極的になる。あんまり積極的に私を貪ってくるものだから、つい年上ぶって「若さを安売りしちゃだめだよ」なんて言ってしまう。すると彼は、それはそれは可愛い顔で拗ねるのだ。

「ごめんごめん」

もちろん、失言のあとはご機嫌取りをしなければならない。膝がくっつきそうな距離で正座する佳主馬くんに手を伸ばす。
瞳を隠す前髪を掬ってみた。おでこを出すと人は大抵若く見えるものだ。佳主馬くんも例外ではなく、不機嫌な顔はいつもより幼く見える。

「年上ぶらないでよ」
「だって年上なんだもの」

おっと、更に失言してしまった。佳主馬くんはとうとう怒って、私を押し倒してしまった。

「怒ってる」
「うん」
「ごめんね?」
「なんで僕より早く生まれたの」

原因はこうして私が頻繁につついてしまうからなのだけど、佳主馬くんは年下であることを気にしてる。

「なんで私より遅く生まれたの」

さらさらと前髪が私の頬に落ちる。わざとらしく佳主馬くんの首に手をかけて、拗ねた顔をしてみせる。

「お互い様だよ」
「……ほんと、敵わない」
「ほら、佳主馬くん。はやく」
「はいはい」

降ってきたキスは降参宣言ってことでいいかな。

救い様のない二人でいいかな

佳主馬高校生以上でないと犯罪


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