「ねえ、いい加減起きたら?」

今日はせっかくの日曜日だから、思う存分眠るつもりだった。久しぶりになんの予定もない休日。親も出かけると言っていたから、私を邪魔する人はいない。はずだった。

「いい加減暇なんだけど」

やっと頭が覚醒する。日がすっかり昇っていて、まだまだ寒くとも太陽は私を照らして温めていた。そして異様に背中が暖かい。そしてほんの少し苦しい。起き上がろうと体にからまった毛布を掴むと、それは余計に私を締め付けた。っていうか毛布じゃない。人間の腕だ

「ひっ」
「おはよう」

朝の挨拶は無視して、頭の整頓を余儀なくされた。私の部屋に私の許可なくあがれるのは佳主馬だけだ。恐らくまだ両親が家にいるうちに家に来たんだろう。そして今多分佳主馬は私を後ろから羽交い締めにしてる。手が結構際どいどころにあるのは、わざとじゃないと思いたい。

「佳主馬」
「いつまで寝てるつもり?」
「い、今起きたじゃん」
「1時だよ」
「うぇ」

そんなに寝ていたとは。寝すぎて視界が霞むし、すごく喉が渇いてるし、体の節々がちょっと痛い。

「もっと早く起こしてくれたら起きたのに」
「一緒に昼寝すんのもいいかなって思ったんだけど、全然起きないから」

佳主馬の言うことはいちいち反抗しづらい。惚れた弱みか、佳主馬が無欠なのか。

「顔洗ったりしたいから、離して」
「やだ」
「やだって」
「いいじゃん、外に出るわけでもないし」

佳主馬の手に体を撫でられて、足が絡まってきた。これはまずい

「ちょっと」
「いいじゃん。おばさんたちしばらく帰ってこないよ」
「よくないって、起き抜けにこれはちょっと」
「やだ」

たまにこうして聞き分けのない子供みたいなことを言うのは、きっと無自覚だ。
こうすれば私が文句言えなくなるって、どこかで知ってるんだ。
反抗したい。佳主馬の思い通りになんてならないんだよって言ってやりたい。

「ね、あんた最近忙しそうで、僕だって我慢したんだから」
「……」
「おねがい」

言葉と共に耳朶を噛まれる。
きっと私は一生佳主馬に敵わない。

「変態」
「年頃だから」

不埒なあなたでもいいや
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -