今日は実に久しぶりに懐かしい友人に会う。初めて合ったのは10年も前。それでも、あの日のことは今でも輝きを失わず私の中に存在し続けている。そんな大切な人達だからこそ、無闇に会うことはしなかった。いつぶりだろう、最後に2人に会ったのは。佳主馬が大学にあがったころの健二さんと夏希さんの結婚式が最後だったから、5年くらいだろうか。胸が逸る。

「あっ居た!」
「わー!久しぶりです健二さんっ」
「ずいぶん大人っぽくったねえ」
「健二さんは全然変わってないですね」

待ち合わせ場所には五年前見た姿と殆ど変わらない健二さんがいた。ふにゃりと笑う顔も、声も、ほっそりとした体型もなにも変わらない。

「そうかなあ、佳主馬くんは結構身長伸びてたよ」
「え、想像できない…っていうか、佳主馬遅くないですか」
「んーさっき遅れるってメール着たけど…来なかったの?」
「来なかったです。もういいや、早くお店行きましょう!」
「そうだね、行っちゃおうか」

今は大学で数学関係の何か(何回聞いても理解できない)をしている健二さんは、外見はあまり変わっていなかったけど、ナチュラルに背が伸びて、眼鏡をかけていた。凄く似合う。
どうして会うことになったかと言えば、OZのチャットブースで私と佳主馬が偶然出会い、どうせだから健二さんもまぜようと言うことになり、3人ともお酒が飲める年になったので、今日は飲もう!ということになって、私と健二さんが住んでいる東京に、佳主馬がはるばる来てくれることになった。ちなみに佐久間さんは仕事の都合がつかず、夏希さんは出産を控えていてお酒は呑めないそうだ。だから私と健二さんと佳主馬。昔からこのセットで取り扱われることが多かった気がする。
折角だからおいしいお店で飲もうと思い、ザルでお酒大好きな私は色々と候補を考えていたけど、今回は珍しく健二さんがお店を紹介してくれるとのことだった。

「健二さんってどんなとこで飲むんですか?」
「んー、別に普通の店だよ?今から行くところだって佐久間に連れられて行ったのが最初だから全然普通。でもおいしいよ」
「へーっいいですねえ」

久しぶりに会ったのがとっても嬉しくて、健二さんに擦り寄るように隣を歩く。するとその間を割ってはいるようにとても背の高い何かが私達の視界に入った。

「なんかカップルみたいだったよ。健二さん、浮気?」
「か、佳主馬!?」
「佳主馬くん!?か、カップルって…」
「すごーい佳主馬!前会ったときは私と同じくらいだったのに!おっきくなったね!」
「そりゃあ、5年も会わなきゃ変わるだろ」

久しぶりに会った佳主馬は、やっぱり片方の前髪が少し長くて、なんだか黒っぽい私服に身を包んでいて、ぐーんと背が伸びていて、なんとも言えないイケメンに成長していた。

「アンタも、なんか変わったね」
「そうでしょ!今はバリバリ仕事するデキル女だから!」
「嘘だ。しょうもないミスとか連発してそう」
「それはちょっと…」
「健二さんまで!?ひどい」

なんてくだらない会話を永遠としながら、私達は夜の東京に吸い込まれていった。

何でもしてくれるひとがいい?自由に生きるひとがいい?

どっちもがいい!
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