私には彼氏がいる。そう言うと羨ましいとかリア充乙とか好き放題言ってくる。だけど私には、それが羨ましがられることなのかリア充なのかわからない。私の彼氏はそりゃ確かに10人とすれ違えば10人振り返るようなイケメンだし、ちゃんと私のことも考えてくれる人だけど、それだけで私が幸せなのかと言うと、それはちょっと違うのだ。

「晋助え」
「なんだよ」
「幸せってなにー?」

自分で抱いた疑問の答を自分で導くことができなかったから、隣でポテチを食べながらいいとも見てる晋助に聞いてみる。晋助はこっちをちらりと見て、また視線をタモさんに戻した。こういう所がなんというか、好きだ。めんどくさがりながらも、ちゃんと私を気遣って、一緒に考えてくれる。でも一生懸命じゃない。

「知らねえよ、そんなの。どうでもいい」
「晋助ってなんか残酷だね」
「何が、どうして」
「人間って幸せを求めて奔走する生き物じゃないの?」

とりあえず晋助に理解して同意して欲しい私は、今自分が考えてる事を一通り晋助にしゃべった。晋助はいいともを見ながら、適当に相槌して聞いてくれた。晋助の手につままれたポテチを横取りしてかじる。一緒に晋助の指も噛んでしまった。私が噛んでも、晋助の指から血がでたりはしない。指を舐めてみる。コンソメ味だ。歯型がついてる。ちょっと嬉しい。

「それでね、私は思った訳ですよ」
「ふーん」
「私の幸せって、晋助と付き合ってることじゃなくて、晋助が傍に居る事だと思うんです」
「ふーん」
「だからね、晋助、結婚しよう」
「ふーん」
「…ねえ、聞いてる?」

一度何もかも壊すのが進化の近道

「晋助っ!晋助ってばあ!」
「うおっなんだよ、いいとも消すなよ」
「私の話、聞いてよ!うわーん!」
「ちょっま、静かにしろって。大家さんに叱られるだろ」
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -