沖田君が持っているのは、白い粉だ。それは片栗粉によく似ている。沖田君が口角で綺麗な孤を描いて、言葉を紡ぎだす。
「これを土方の茶に混ぜるんでさァ」その口調はいつもの土方さんを陥れる時の沖田君そのもので、私は身震いすると共に期待に思いを馳せた。

素直な土方さん
それは、真選組隊士なら誰もが夢見る副長の理想だ。頭が切れて、刀も斬れて、隊士に気を使ってくれる――。そんな桃源郷が存在していいのか。いや、私達はそれを手に入れることが許されるほど土方さんにこき使われている。
「あああああありがとう沖田君」
「効果は良くも悪くも1週間。天人から入手したブツだから具体的な効果は保障できやせん」しかしこれを土方さんに飲ませれば、土方さんの性格はたちまち仏のトシさんへ…!そしてあわよくばいつも適当にはぐらかされてしまう愛の言葉を…私に囁いてくれるかもしれない!恋人同士と言えど、ここは屯所。つまり、そういうことだ。
「んじゃ、健闘を祈りまさ」



「ひひひひひ土方さあん、お、お茶です」
「おう」
書類に集中している土方さんは私の状態異常にも気付かず白い粉の浮いたお茶に口をつけた。私の心臓はまるでサンバを踊り狂うダンサーのごとく暴れまわりじきにリンボーダンスに手をだしてしまいそうな勢いだ。
「……」
「ひ、土方さん?」
お茶にひとくち口をつけて、そのまま動かなくなってしまった土方さん。流石に不安になって顔を覗きこむと、いいタイミングで土方さんの身体が爆発した。白い煙がもうもうと立ち込める。
「ぎゃああああ土方さんがあああああ」
「うるせえな」
………あれ、変わってない?
「凄い音でしたけど、大丈夫だったんでs「あーわかったわかった愛してる愛してるからちょっと待てよ。遊んで欲しいのは解るしその仕草も可愛いがせめて一昨日の書類だけは片さしてくれ。」…ん?」
通常の土方さんはこんなに沢山しゃべらない(ただし沖田君や坂田さんと喧嘩している場合を除く)。これは、成功ということでいいのだろうか

言葉も脱がす

「…よし、終った。遊んでやるから来い」
「えっうええ!?」
「何恥ずかしがってんだ?変な想像してんじゃねーだろうな。まあそれでもいいが」
「へ!?」

よかったじゃねーですかィ
お沖田君!?
言ったはずでさァ、効果に保障はできねェってな
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