私は銀時さんの中に入
った土方さんと町を歩
いていた。どうやら見
回りらしい。銀時さん
が見回りしているのは
なんとなく違和感があ
る。土方さんは職務中
なので銀時さんの体で
副長の隊服を着ている
のだ。違和感が否めな
い。DVDのジャケッ
トのようだ。

「どうしてこんなこと
に…」
「俺が知るかよ」

銀時さ…土方さんは至
極まじめな瞳で遠くを
見た。いつも死んだ魚
の目をした銀時さんの
珍しくマジメな表情に
私の心臓はどくりと音
を立てた。中身は土方
さんだけど、やっぱり
銀時さんはかっこいい


「ジロジロ見んな」
「えっ」
「って、お前、顔あけ
ーぞ。風邪か」
「そそっそんなことは
!」
「馬鹿、ンな格好で外
歩いてっからだ」

銀時さんの顔の土方さ
んが私の顔を覗きこむ
。あの憎たらしい土方
さんが私を心配するな
んて…!銀時さんのか
っこいい顔でそんなコ
トしないで下さい!と
叫ぼうにも周りの目が
気になるし、そんな風
に私がドギマギしてし
まっているのを土方さ
んに気づかれてしまう
のは嫌だった。黙って
いると土方さんは本当
に私を風邪だと解釈し
たらしい。

「ちょっと多串くーん
、俺の顔でこいつ誑か
すのやめてくれる」
「た、たぶらかす…?

「バッカ、んな訳ねー
だろ!」

土方さんの顔をした銀
時さんが万事屋の方か
ら出てきて土方さんに
つっかかっていった。
土方さんの顔をした銀
時さんは、銀時さんの
顔をした土方さんが隊
服を着ているように着
流しを着ていた。似合
わない。すごく似合わ
ない。あと文章がメン
ドクサイことになって
しまっている。ごめん


「俺の顔借りてイチャ
イチャすんじゃねーの

「んなことするわけね
ーだろ、すんなら自分
の顔でした方が良いに
決まってんだろ」
「アレ、それ喧嘩売っ
てるって解釈していい
?」
「ちょ、やめ、」
「いいぜ、やってやろ
うじゃねーか」

大通りでふたりがファ
インティングポーズを
とり始めた。や、やめ
てよ。本当に。このか
ぶき町、喧嘩大好きな
人が多いのでさっそく
人だかりができて野次
が飛んでくる。万事屋
の旦那と真選組の副長
さんが女取り合って喧
嘩してるぞ…ん?

「お前だってこんな瞳
孔かっぴらいた奴より
俺のほうが好きだよね
!」
「ばっ俺の顔でそうい
うこと言うんじゃねえ
!」

ぐい、と土方さ…んの
顔をした銀時さんが私
を見つめてくる。土方
さんの奇しくも整った
顔が目の前に迫って居
てもうどうすればいい
のやら。人だかりから
はおおっと歓声があが
り、私の混乱はどんど
ん進んでいく。

「テメーは指咥えて俺
とこいつがイチャイチ
ャすんの見てな!」
「ばっ…大体テメーな
んぞに俺が負けるわけ
ねーだろうが!」

…ん?土方さん何言っ
てんの。頭に血ィ昇り
すぎて自分でも何言っ
てるかわかってないで
しょ。だっ、だってそ
れ…意味解って言って
ないでしょ。解ってた
ら土方さん私に気があ
るってことになります
よ。あれ、銀時さんの
顔…赤くない?銀時さ
んの顔してるのが本当
の土方さんで…あれ?
もう訳わかんない。

「………」
「あっちょ、っ」
「おま、大丈夫か?」

頭が混乱して、血が昇
っているのはむしろ私
のほう。ふらふらと倒
れこむともうだっちだ
か解んないけどにくた
らしいほど整った顔が
ぼやけて見えて、その
後の記憶は定かでない


なんかもう
ぜんぶきみがいいや


目が覚めたら目の前に
銀時さんの顔があった
。よく解らないうちに
私は万事屋に搬送され
たらしく、木目の天井
が見える。銀時さんは
妙にニヤニヤしていて
、土方さんは顔が真赤
だ。一体何事。

「こいつ、俺とお前が
付き合ってるって沖田
君にふきこまれてマジ
にしてたんだと」
「ば…言うなよ!」
「男の嫉妬は醜いねえ

「万事屋アアァ!!」

起きようと腰をあげる
と土方さんに止められ
た。どうやら私はいま
38度の熱が出ている
らしい。嘘お。と声を
あげると土方さんに本
当だバカといわれて頭
を叩かれた。ぐわんぐ
わんと痛みが響く。コ
ノヤロウ。もう何がな
んだかわかんないじゃ
ないか。

つまり、どういうこと
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