こんにちは。私はかぶ
き町に住むごくごく一
般的な女の子です。た
だ少し皆と違うところ
があるとすれば、私は
大江戸では結構有名な
坂田銀時さんと結構仲
がいいことと、それが
原因で坂田銀時さんに
目をつけている真選組
の鬼の副長、土方十四
郎さんにちょっかいを
出されるということで
す。

私は万事屋銀ちゃんと
いう坂田銀時さんが経
営する何でも屋の下に
あるスナックお伊勢で
アルバイトをさせてい
ただいています。今日
はお昼から特別任務が
あるそうなので、いつ
もより早く出勤。屯所
の近くを通りかかると
煙草をふかす土方さん
に遭遇しました。犬猿
の仲の私達。嫌煙。あ
、ちょっとうまくね。
なんてことを考えて土
方さんをスルーしよう
とすると土方さんは機
嫌悪そうに「おい」と
声をかけてきました。
そんなに私を見るのが
嫌なら声もかけなきゃ
いいのに。そう思いな
がら内心溜息をつき(
本当に溜息をつくと土
方さんが怒りそうなの
で)ふりかえると、案
の定機嫌悪そうに煙草
をふかしている土方さ
ん。煙草くさくて鼻を
つまむと。土方さんは
舌打ちをして嫌々煙草
を消してくれました。

「こんな早くから出勤
たァご苦労なこって」
「うるさいですね、土
方さんには関係ないで
しょう」
「関係大有りなんだよ
、それが。近頃水商売
してる女どもの嗜好が
悪ィとかで夜中の見回
りが足されてんだよ」
「ふん、嗜好が悪いの
はチンピラ警察の方じ
ゃないんですか?」
「んな訳ねえだろ、腐
っても警察だぞ」
「どうだか」

ほら、こんな風に。私
は土方さんの前だと可
愛くない言葉しか口か
らでてこなくなります
。銀時さんの前だった
らもっと私は可愛いの
に。そう思うと土方さ
んにムカつきます。や
つあたりだとわかって
いても土方さんに辛く
当たる。ああこれが悪
循環なんですね。

「じゃあ私行ってもい
いですか、銀時さんが
私を待ってるんで」
「はっ!?お前…銀時
と付き合ってんのかよ

「違いますよ。きっと
早く出勤させられた理
由は家賃払えコールだ
と思うんで」
「あ、ああ…そういう
ことか」
「じゃ!」

なんか別れ際の土方さ
んの様子がおかしかっ
たけど、そんなこと正
直どうでもいいので駆
け足でスナックお伊勢
に向かうと、案の定お
伊勢さんは集金袋片手
に私を迎えてくれた。

「悪いね、アンタが行
くと銀時も中々辛く当
たれないモンでね」
「いえいえ!お気にな
さらず。銀時さんの家
にお邪魔する理由が増
えるのは嬉しい事です
から!」

茶色の袋片手に階段を
カツカツ登っていくと
、どうやら私のことを
お伊勢さんやたまさん
だと思っているらしく
「やべ、きやがった!
」とか「はやく隠れる
アル!」とか聞こえて
くる。人違いとはいえ
少し哀しい。ピンポー
ンとインターホンを押
す頃には万事屋の中か
ら音ひとつ聞えなくな
っていた。

「あの…銀時さあん」
「銀ちゃんあいつアル

「あのババアまたあい
つを使いやがって…」

銀時さんの声がして、
すぐに扉が開かれた。
とりあえず入れよ、と
目で言われてお邪魔し
た。いつもの閑散とし
た万事屋。仕事相手用
のソファに座らせても
らうと、新八君がお茶
を淹れてくれた。

「いやァ悪いね、いっ
つもあのババアのせい
で」
「そんなことないです
よ?万事屋さんにお邪
魔させてもらうのは嬉
しいですし」
「え、マ、マジ?」

向かいに座った銀時さ
んが若干顔を赤くして
机に身を乗り出した。
なんだかよくわからな
いけど可愛いなあ、銀
時さん甘い匂いするな
あ。とか考えながら笑
っていると乱暴に玄関
の戸を叩く音がした。

「おい新八ィ〜」
「はいはい」

慣れた調子でのやりと
りに、一人暮らしの私
は少し憧れを抱いてし
まう。新八君が私の入
ってきた方へ消えてい
くのをぼんやり眺めて
いたら、銀時さんがど
うしたと尋ねてくるの
でなんでもない、と答
えたんだけど、やっぱ
り銀時さんはどこか浮
かない顔をしていた。

「本当になんにも無い
ですよ」
「どうかな〜、お前す
ぐになんでも溜め込む
から、気をつけておか
ないと」

冗談めかしてそういう
銀時さんは本当に優し
いひとなんだなあ、と
柄にもなく少し喜んで
いると、銀時さんが私
に手招きをしている。
近づこうにも、私と銀
時さんはテーブルを隔
てて向かいに座ってい
る。どう近づけばいい
のだろう。解らないの
で動かないで首をかし
げると、銀時さんが2
人がけソファの空いた
部分をぽんぽん叩く。
つまり、隣に座れと。

別にちょっと隣に移動
するぐらいなんでもな
いことなので、一体ど
うしたんだろうと思い
ながら銀時さんの隣に
座ると、銀時さんは嬉
しそうに笑った。かわ
いい。そしてその笑顔
のまま私の頭をぽんぽ
ん撫でる。「いいこい
いこ」なんて言ってく
るから私はどうにも恥
ずかしくなって、後ろ
に退ろうとするんだけ
ど、銀時さんに腰を抱
かれてそれができない
。妙に近い距離が恥ず
かしいんだけど、別に
銀時さんは頭を撫でる
だけで何もしてこない
し、ちょっと甘えてみ
ようかな、と思ったと
ころで、玄関の方から
凄い音がした。どんが
らがっしゃん!みたい
な。

「万事屋アアァ!!」
「ひっ土方さん!困り
ますって!」

哀れな事に新八君が土
方さんを追いかけてこ
の部屋に入ってくるけ
ど何故だかブチギレた
土方さんはそんなの聞
かずに私の隣にいた銀
時さんの着流しを握っ
て銀時さんの頭をぶん
ぶん揺らしている。

「ちょ、何、多串く、
ん」
「多串じゃねェエ!」
「土方さん!何やって
るんですか!」

頭を激しく揺すられて
いる銀時さんの手が私
の腰から離れた。とり
あえず私は安全を確保
するために銀時さんの
隣を離れて困惑してし
まっている新八君の横
に立った。そこから大
声を出して土方さんを
制止すると土方さんは
やっとひとまず落ち着
いたようだった。

「……」
「ど…どうしたんです


土方さんは沈黙を守っ
ている。こわい。ビク
ビクしながらそう言う
と、土方さんは銀時さ
んを鬼の形相で睨んで
銀時さんに思くっそ頭
突きをした。新八君と
私と神楽ちゃんが目を
丸くしてそれを見守る


「ニコチンコが壊れた
アル」
「え…なんか3人とも
動かないんですけど」
「おっ俺がいるウウゥ
!」

そう叫んだのは土方さ
んだ。なんか今日さわ
がしいな。銀時さんは
と言うと信じられない
ものを見る目で土方さ
んを見ていた。

「「ど、どうなってん
だァァアア!!?」」

2人がお互いを指差し
てその場から飛びのき
、土方さんは自分の黒
い隊服を見てハッとし
た表情をした。同じく
銀時さんも自分の着流
しをみてハッと目を見
開く。…あれ、銀時さ
ん瞳孔開いてるよ。一
方土方さんの動向は一
般人と同じになってい
る。まるで仏のパシリ
トシさん…いや、なん
か騒がしい感じが全然
仏じゃない。

「万事屋か…」
「お、多串くん…?」

物凄くあせった顔でお
互いが自分の通り名を
呟きお互いにガンを飛
ばしあう。全然展開が
読めない。しかしここ
は流石のツッコミ、新
八くんが呆れた様子で
「どうしたって言うん
ですかふたりとも」と
言ってくれた。二人は
物凄く焦った顔をして
こっちを向いた。

「「入れ替わっちゃっ
た」」

かわいい呪い

「「「はあ?」」」
「いや、マジで。」
「どうなってんだアア
ァ!」
「お前のせいだろ!お
前が頭突きしてくっか
らァ!」
「ちげーよ!元はと言
えばお前がこいつと…

「え?私?」
「なっなんでもねー」

銀時さ…いや、中身は
土方さんだ。様子がお
かしい。
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