クリスマスだからあの雪のように白い髪に触りたい、ただそんな風に考えていただけだった。そしたら急に家にキムチ鍋の材料を抱え込んだ腐れ白髪をはじめとするかぶき町ファミリーが勢ぞろいしてしまった。みんな鼻を赤くして、妙に憎たらしい笑顔をうかべてわたしの家にころがりこんできた。

「さみい」
「あがらせてもらうぜィ」
「こたつはアタシのものネ!」

みんながぎゃーぎゃー騒ぎ始めた。新八君と銀さんが台所に立っている。神楽ちゃんと総悟がこたつの取り合いをして、近藤さんがそれを見て笑っている。土方さんはマヨネーズが足りないと山崎さんを殴り、山崎さんはその攻撃から必死に逃げていた。お妙さんとお登勢さんたちはなんだか雑談をしながらそのようすを見ていた。わたしの家なのに、わたしだけ疎外感。

「ちょ、」
「山崎イイイィィ」
「テレビの正面は俺ですぜィ!」
「何言ってるアルかテメーはテレビの目の前で十分アル!」
「テレビ見えねえじゃねェか!」
「ハッハッハ!皆仲がいいなあ」

ちょっ、

「おら、鍋できたぞー」
「でけえ鍋」
「おいしいですよ」
「じゃあわたしたちも頂きましょうか」
「そうだねえ」

ちょっとあんたら…

わいわいと盛り上がる部屋の、ブレーカーを落した。すると一瞬で静まり返る。みんながこっちを見ているのがなんとなくわかった。すう、と息を吸い込む

「わたし、辛いの苦手だからアァ!」





「なんだよーそれを早く言えよな」「そうだそうだ」「しょうがねえから俺のマヨネーズわけてやるよ」「結構です!」

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