パチンと最後のキーを押すと、もう部屋は真っ暗だった。今日も全勝、スポンサーとの関係もうまくいってる。今度の公式戦の予約チケットは発売初日で完売らしい。最近フレンド登録の一日の申し込み量がまた増えた気がする。OZの公式に頼んでそういうのは全部切ってもらうように頼んでいる。ファンレターも全部目を通せない。今自分のコンディションはあまりよくなかった。ストリートファイト形式のステージにいた時凡ミスでダメージを負ってしまったし、巨大掲示板では不調と囁かれている。それは間違いではないし、そう囁かれるのは自分がまだ未熟だからだ。どれだけ世間で人気になろうとも、あの人たちに敵う事はきっとないだろう。11月にはいってますます寒くなってきた。学校では暖房は室内温度10度を下回ってかららしい。僕は平気だけど、寒がりの彼女にはきついだろう。あたらしいカーディガン、あれはよく似合っていた。僕が黒を買ったから、きっと彼女だからは白を選んだんだろう。そんなことですごく嬉しくなる。自分がにやけているのに気づいたとき、暗い室内で怪しい音がした。ケータイのバイブ音で、いつも試合をしてるときは集中できるようにマナーモードにしてる。中を見ると、一件のメールが届いていた。「今日もお疲れ様、あったかくして早く寝てね」なんのへんてつもないメール。きっと彼女はあのたくさんのギャラリーの中で今日も僕を見ていたんだろう。僕がログアウトしたから、きっと。時計に目をやると深夜二時。「アンタこそ、何時まで起きてんの」と返信。きっと今日もいい夢がみられるだろう。

わたしの心は泣いてるの

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