久しぶりに家にきた銀時はあたしの下着を見て鼻で笑った。その侮辱行為に怒らないのはあたしのプライドが許さなかったので、とりあえずダルい体を無理やり動かして全身全霊の力を込めて銀時を殴った。きれいに決まった左ストレートは銀時の体をベットの向こう側にある座椅子まで飛ばした。すげえ。お妙さんのところに護身用のちょっとした武術をならいにいっただけの甲斐があった。ちょうど座椅子に座っている銀時のほうを軽蔑の眼差しでにらみつけると、銀時が鼻血の垂れている鼻を押さえあたしを睨み返した。無言の室内にバチバチと火花が散る。「おま、本当に病人かよ」「…決まってんでしょ」わざとらしくゴホゴホと咳き込むと鼻血を拭いていた銀時があたしにティッシュを投げてきた。なんだ、なんだかんだ言って結局は心配してたのか。なんて関心していたら、銀時が重く溜息を吐いた。鼻水をかんで銀時の方にティッシュを投げ返そうと構えると銀時が「あー、でけえ乳もみてー」と一言。当然ティッシュはあたしのナイスコントロールで銀時の顔面に直撃した。大袈裟なリアクションをとる銀時を鼻で笑うと、ぐらっと視界が揺らいでそのまま座っていたベットに倒れる。やっぱり熱が出てる時に無茶するもんじゃないなあ。そのままぼーっとしてたら銀時が顔を覗きこんできた。鼻の周りが赤い。鼻血を乱暴にぬぐったせいで鼻の周りについてるんだ。きったねえ。あたしは遠い昔の事を思い出した。銀時のほっぺを両手で挟む。「そんなにでけえ乳がいいならとっととどっかいっちまえ」「………」急に大人しくなった銀時がおもむろにあたしの乳をつかんだ。「…なにしてんだてめえ」「やっぱ俺、乳でけーオネエサンよりもおまえがいいわ」「…銀時」「あ?」うん、わかった。理解した。そうか。そうだったか。銀時はすねてんのか、いや、拗ねてるのとはちょっと違うか。「誕生日おめでとうございます」両手で挟んだ銀時の顔をこんどはつねって横にのばすと更に間抜け面になる。鼻で笑うと銀時はまぬけづらだけどかっこよく笑った。

はっぴーばーすでー

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