佳主馬の切甘が読みたいです♪


佳主馬は素直じゃないし変なところで意地っ張りだしいつも自分ひとりで物事を考えちゃう癖にあたしのことは何でも言えって言う。それっておかしいと思う。自分の事はなんにも言わないくせにあたしの痛みまで背負おうとするなんて、佳主馬は本当にどうかしてると思う。少なくともあたしには自分で自分の痛みをなんとかする事も、がんばれば佳主馬の痛みを預かってあげる事もできるのだ。佳主馬にもそれを知って欲しい。あたしも佳主馬を頼るから、佳主馬にもあたしを頼って欲しい。ぼろぼろになっていく佳主馬を見てるのはつらい。あたしの痛みなんて、OZ内の人気ゲームOMCの世界チャンピオンが背負うプレッシャーに比べれば蚊に刺されたようなものだ。そうに決まってる。

「佳主馬、」

今日も佳主馬はパソコンに向かっている。こんな暗いところでやってると目に悪いよ、と言っても佳主馬は此処から出ようとしない。言っても、あたしは佳主馬の気持ちを少しは理解したつもりでいるから佳主馬がここから動かない事は知ってる。

「あたしね、不安なんだよ」
「、ごめん」
「うん。佳主馬のせい」

にっこり笑って話すようなことじゃないんだろうけど、今のあたしは酷く笑顔だ。自分でも解るくらいにっこりと、いつもじゃ信じられないくらい優しく笑っている。いつもこんな顔ができればいいのに。ゆっくりとベッドホンを首に落とし振り返った佳主馬は満面の笑みのあたしを見て一瞬びっくりしたように目を見開いた。でもすぐにそれをあたしに悟られないように無表情に戻る、いや、少し哀しそうだ。

「だって、佳主馬はちっともあたしのこと解ってない」
「ごめん、」
「あたしだって、佳主馬の役に立ちたいんだよ」

そういうと佳主馬はもういっかいごめんね、と言った。それはちょっと擦れた声で、涙がでるくらい優しいごめんねだった。


少なくとも君は、さみしいという言葉を知っているし、それを声に出すことも出来る。


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