あたしはシスターが好きだ。でもシスターはマリアさんが好きだ。それでもあたしはマリアさんに嫉妬したりはしない。だってマリアさんはわたしにとってもよくしてくれるし、とっても綺麗でかっこよくて、あたしなんか足元にも及ばないんだから。

「教えてくれ」
「…それは、」
「どうしてだ」

それは、シスターのことが好きだからです。とは言えない。ちょっとネガティブな思考になってしまったとき、シスターに会ってしまった。心配してくれるシスターに大丈夫だよ、と笑ってはみるけど、やっぱり嘘は通じない。いまもこうして詰め寄られている。

「おまえがそんな顔をしているのは、見ていて辛い」
「…でも、シスター」
「せめて、理由がしりたいんだ」
「…シスター」

シスターの黒い服のはしを握ると、シスターに抱えられた。俗に言うだっこ状態、予想外の出来事とその高さに、あたしはシスターにしがみつく。あったかい、なあ。不謹慎なことだって言うのは解っている。けど、いまはこの甘さに浸っていたかった

「シスター、ごめんね」

そう言ってこぼした涙

ごめんね、好きなんだよ。

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