今日は佳主馬の家に宿題をしに行く約束をしていた。だから暑い中10分間自転車をこいで佳主馬の家に向かった。だらだら汗を流したまま行くのはちょっと女子として嫌だったから、持ってたミニタオルで汗を拭いてシーブリーズをつけて、インターホンを押した。出たのは聖美さんで、佳主馬の部屋に勝手に行ってくれていいとのことだったのでお言葉に甘えてずんずんと人様の家を進んでいく。結構奥のほうにある佳主馬の部屋のドアをノックする。返事はない。思い切りノブを回した

「かずm…」

声が出ない。開いた口が塞がらない。佳主馬のベットに腰掛けているのはカズマ。ノートパソコンからあたしのことを見てるのは佳主馬。音質の悪い声で必死にあたしの名前を呼んでいるのは池沢佳主馬。ベットに座ってあたしに手招きしてのはキングカズマ。…あれ、

「アレエエェェ!?」
「ちょ、大声ださないで!母さんにバレるだろ」

パソコンの画面から叫ぶ佳主馬。その姿に関心していると、ちょんちょんとふわふわしたものがあたしの肩に触れた。振り返ると、キングカズマがあたしの事を呼んでいる。どうしたの?と首を傾げたらぎゅっと抱きしめられた。胸キュン。すりすりとあたしにすりついてくる。シーブリーズつけてよかった…!!嬉しくなって抱きしめ返すと、パソコンから叫び声が聞えた。

「何してんの!離れなよ!」
「キングカズマ可愛い」

あたしはパソコンのボリュームをミュートにした。だんだんっとカズマはパソコンの画面を叩く。でもなんの音も聞えない。そこまでするとキングカズマに腕を引かれて離れていた距離が一瞬で縮まり、ベットに倒れこんだ。

「どうしたの?」

カズマの金髪を掻き分けて綺麗な目をさらけ出す。くすぐったそうにカズマは目を瞑る。可愛くて可愛くて頭を撫でてあげると、ぎゅっと抱きしめる力が強くなった。ふわふわ…。これがOZの掲示板で言う、ふるもっふですな!佳主馬の幼馴染でよかったー!!カズマのふわふわな胸の中に顔をおしつける。あったかい…ふわふわ。エアコンの良く効いた部屋でカズマのふわふわな毛は触り心地がよかった。更に上にいい生地のタオルケットをかけてもらって、あたしはすっごく幸せ!目を瞑って幸せに浸っているとカズマが顔をあげて佳主馬のいるパソコンを一瞥。そして口を開いた。あ、喋るんだ。



カズマは夕方あたりまで佳主馬の部屋にいた。その間あたしとカズマはずっとくっついてお昼ねしたり勉強を教えてもらったりした。ああ、こんな彼氏がいたらなあ…。あたまもいいし、かっこいいし、強いし。

佳主馬のほうをむいてふふん、と笑むと、佳主馬が悔しそうな顔をした。はは、ざまあ。するとカズマがまたあたしのことを抱きしめる。抱きしめるの好きなんだな、カズマは。肩に頭を置いたまま、暫くすると、ふんふんとあたしの匂いを嗅ぎ始めた。そして、ぼわんと頭の悪い音が室内に響いた。カズマのふわふわがなくなっていく。これはもしかして…

「覚悟はできてるよね?」
「!!」

まあこの後のことは深く語らないことにして、あたしは今でもカズマと佳主馬が次に入れ替わるのはいつなのかと考えていたりする。それもあって頻繁に佳主馬の家に遊びにいくようになった。
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