ケータイが鳴った。デフォルトの着信だだってあたしは頑張らないとなんにもできないどうしようもない奴だから買い換えたばかりのケータイの操作方法なんて解らない。机の上に広げられた教科書や参考書を腕で一気に机から落とす。その際例のシャーペンも落としてしまいそうになって急いでキャッチ。そして慣れないケータイの通話ボタンをプッシュした。このタイミングに電話かけて来るなんて、これもあいつの数ある才能の一つなのかもしれない。

「…あんたから電話なんて珍しいね」
「別にいいだろ」
「悪いなんて言ってないでしょ用件はなにあたし忙しいんだけど」

電話はあいつからだった。本当に胸糞悪い。電話かけて来るのは不愉快だけどまあいいことにして、じゃあなんでこのタイミングで?あたし今あんたへのイライラを募らせてたんだけど。やべ、本格的にイライラが貯まってきた。もういいよなんでもいいから早く要件言って電話切って。それにしても…ああ可愛くない最高に可愛くない。本当に自分でもどうしようもないくらい勝手に口から棘の生えた言葉が出てくる。咽を通る声が痛いんだよチクショー。言葉だけなら許せるかもしれないけど心の中も最高に可愛くない。認められたいだけだなんて言ったけど認められたいってことはあたしはあのどうしようもないマダオなあいつが大好きなんだよ。どこが好きとか聞かないでよねそんなのどうでもいいんだよああああああああ決めた。もしあたしが黄色い玉を死ぬほど頑張って7つ入手できたとして神龍に頼むことはちょっとは可愛げが出せますようにとあいつがあたしの頑張りを認めてくれますようにとあとは…

「おい聞いてんのかテメー」
「ああごめん。もっかい言って」
「明日朝イチで俺んち来い来なかったらどうなるか解ってんだろーな用はそれだけだじゃあな」

ブチ
とヤな音を立てて通信が切れた。は?マジ意味わかんない、いや早く切れって言った(言ってない思っただけ)のはあたしだけれども本当に切るとかまじでなんなの。あああイライラする!もういちご牛乳ガブ飲みしてやる!…っていうかあたし明日学校なんですけど!まあ別に先生達にがんばりは認められてるとして、さして勉強ができる優等生という訳でもないから問題はないように思われるかもしれないけど一日休んだらどんだけ授業においつけなくなるか解ってんのか。ああそうでした解りませんよね。解るわけがないんだった。あいつは授業1回受けなかっただけで内容が理解できなくなるような馬鹿じゃないんでしたね。そんなことにいちいち執着するガキでもなかったんですね。わかりました解りましたよああもう解ったから早くあたしの脳内から出て行けごるあああ勉強できないんですけど!さっき勉強道具落として綺麗になったあたしの机が眼前にある。どうやらキングカズマのフィギュアも一緒に倒してしまったらしい。あんなボロいシャーペン守っといて俺の嫁を落としてしまうなんて…ああもうなんなの!最悪



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