「そうごのばかあああ」
「馬鹿はアンタだろィ」
「もうやだ!総悟、嫌い」

そういって屯所を飛び出した。なんなの、総悟の馬鹿。嫌い、だいっ嫌い!。そう叫びながらかぶき町を駆け抜ける。いつも総悟と行く団子屋を通り過ぎ、総悟と近所の子ども達と遊んだ公園を抜け、よく総悟と昼寝に来る河原に辿りついた。なにこれ、総悟はっかり。変なの

「なんでアンタがここにいるんでさァ」
「なっ…総悟!!それはこっちの台詞だから!」

飛び込むように河原の芝の中に寝転がれば、視界の上の方に総悟が見えた。なんでここにいるの

「・・・」
「・・・・・・なに」

黙ってこっちを見つめる総悟。こんな事初めてで、困惑してしまう。暫く睨みあっていると、徐に総悟は動き出した。そして、あたしに馬乗りになる。あたしはその様子をただポケっと見ていた。

「・・・え、は!?」
「ぶっさいく」

突然総悟がつぶやいた言葉にあたしの怒りは更にヒートアップ。手足をバタつかせて反抗を試みるも、総悟はまったく気にしないようだった。
そして突然、ほっぺをむにっと摘まれる。本当に、今日の総悟はどうかしてる。

「笑ってた方が、いくらか見て取れまさァ」
「・・・はえ…?」

すると総悟は突然立ち上がって、どこかに去っていった。後姿から見えた耳は若干赤い。

そのようすにくすりと笑みが零れる。総悟が素直に謝れないのは昔からだ。
あたしは走り出して、精一杯両手を広げて総悟の背中に抱きついた。

 笑顔を
 届けに
来ました


総悟!もうあたしのプリン食べないでね!
じゃあ二人ではんぶんこしやしょう
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