「んん…」
目が覚めたらあたしはベットに寝ていた。どうやら此処は、保健室?消毒液のにおいが鼻を付く。起き上がろうとしたら頭がくらくらしてきて再びベットにダイブ。ぼふんと間抜けな音を立ててあたしは思い切り頭を打った。
「目ェ醒めたか」
「…あ!」
シャッとカーテンを開てあたしを見下すのは紛れもない高杉先輩。突然の事にあたしはなにがなんだかよくわからないでいた。なんでここに高杉先輩がいるの?
「なんでお前屋上なんかで寝てんだァ?」
「っそ、それは――…」
「あとお前ェ軽すぎ」
「…え?」
いや最近太ったと思うんだけど、って!!なんであたしの重さのこと知ってるの!?ちょっと、まさか、まさかまさか…
「俺がお前ェを此処まで運んでやったんだよ」
「イヤアアアァァ!!」
まさかそんなコトになっていたとは、何故目覚めなかったんだあたし、もしこんなことお兄ちゃんにバレたら…そう思うと冷や汗が出る
「あの…高杉せんぱい…」
「あァ?」
「あの、今日のことはお兄ちゃんは内密に…」
ポカンとした表情になる。あ、高杉先輩ってこんな表情もできるんだ。なんだか可愛いなぁ、とか内心微笑んでいた。が、それは瞬時に訂正される。
「まァ、あの兄にバレたらただじゃすまねェだろうなァ…」
「そうなんです。だからお願いします」
「じゃあ明日から毎日屋上に来い」
「はいわかりました…って、え?」
「決まりな」
あっけに取られるあたしを尻目に高杉先輩は保健室を後にした。残されたあたしは静かに心の中で叫んだ
大変な事になったぞ
100206