「どうする旦那ァ」
「名前ももうお前にひっついてる幼い妹じゃねえんだよ」
「解ってる…けど」

名前が意識を飛ばしてしまった後、幼馴染三人で緊急会議を開いていた。名前が運ばれていった保健室では神楽と高杉というミスマッチな二人が名前を見守っている。屋上で三人固まってあーだこーだ言っているうちにだんだん名前と高杉を許してやろうと言う感じになってきた。

「あいつは大切な妹なんだよ」
「それァ解ってる」
「大切だからこそ、なんじゃねェですかィ」

俺の頭には両親がいなくなってからの名前との辛かったり楽しかったりする思い出が脳を駆け巡った。これが走馬灯か。強ち間違っちゃあいない。俺はもう死にそうだ。

「お前の気持ちも痛ぇくれえ解るけどよォ…」
「ここは一つ、名前の気持ちを酌んでやろうじゃねェか」

二人の言っている事も良くわかる。認めてやるべきだってことも解ってる。でも踏ん切りがつかない。

「…じゃあ、」
「あ?」
「高杉に聞いてくるわ」
「どういう意味…」

俺はそれだけ言うと階段に向かって歩き出した。実はちょっぴし泣きそうで、泣き顔をみられたくなかったからだ。




「旦那…」
「総悟、大丈夫だ。アイツなら」
「それくらいわかってらァ」

悔しいんです

妹を…名前を取られてしまうのが
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