「ホントアルか!?名前!」
「ほ、ほんとも何も…」
「テメー等なにしてんだァ?」
「「「「「!!!」」」」」
偶然に偶然が重なってとんでもないことになった。玄関の入り口の方から聞えてきた第三者の声は高杉先輩の声だったのだ。ゆっくりとふりかえる首からギギギ…という効果音が聞えてきそうだ。高杉先輩は本当に状況を把握してないらしい。神楽ちゃんは興味深々に高杉先輩の方に駆け寄った。だ、だめ…!!
「名前は高杉のモノってほんとアルか?」
「かっ……!!」
「チャイナァァア」
あたしの声にならない叫びも神楽ちゃんには届かず、とうとう神楽ちゃんは高杉先輩にとんでもないことを聞いてしまった。総悟はなんかものっそい形相で神楽ちゃんを睨みつけている。その場に運悪く遭遇してしまった退君にいたっては、怯え教室の方へ逃げてしまっていた。
「お前ら…」
高杉先輩が呆れたような声を出す。その横でまた子ちゃんが「当然ッスよね!」と囃し立てた。今玄関は興味と恐怖と言う意味のわからないものが入り混じった緊張状態にあった。三年生の下駄箱のほうからお兄ちゃん達が駆けつけた。
「高杉てめえっ」
「俺は名前を俺のモンにできたらいいと思ってる」
…ん?
それは…
お兄ちゃんたちもポカンとしてる。当然だ。高杉先輩のことだから「クク…ッ当然だろ(ニヤリ)」とかそう言う風になると思っていたのだから。
「…名前」
「はっはい!」
な、なんか今の高杉さんエロい!!なんか今までの俺様的なエロスじゃなくて、なんというか…しとやかなエロさ?兎に角…破壊力はんぱないよオオオォォォオ
「お前は…俺のモンになってくれるか…?」
鼻血ブシッ
バターン
ぎゃー!!名前が倒れたアル!!
名前ーーーー!!大丈夫かアアァァア!!
高杉さん破壊力ありすぎ…
高杉ファンが急増した