しんとした廊下を歩く
いつもより長く感じる廊下をゆっくりと歩いていく


「しつれいしまーす」

ガッ
漸くついたと思い力なく扉を開けようとすればなんと扉には鍵がかかっていた。つまり保険医は不在。私はがっくりと項垂れた
保健室に入れないんじゃ仕方ない。だが戻りたくはない。こういっては何だが英語をサボるいい口実になったのも事実だ。この機会つぶすわけにはいかない
そう思い向かったのは屋上
普段は立ち入り禁止なので誰も来ないだろう

名前は屋上へと向かう今年にした
一階の保健室から屋上までは結構な距離があるまぁサボる代価と思うことにしよう
三階まで続いている階段をのぼる。それから三年生の教室のある廊下を通って屋上に向かう階段に行かなければならない。他にもルートはあるが遠回りのしすぎだ
しかしそのあと私は遠回りすればよかったと後悔する
お兄ちゃんのクラスの扉が少し開いていてお兄ちゃんと目が合ってしまったのだ

「!」
「……、」

逃げた。そりゃあもうお兄ちゃんの顔を見た瞬間全速力であとでおにいちゃんに問い質されるのは避けられないだろう

そんな試練をのりこえようやく到着した屋上。
重く錆びた扉を開けるとひんやりとした冷たい風が頬を撫でた

「よォ」
「へ!?」

びっくりしすぎて腰を抜かしてしまった。クツクツの度の奥で笑う声がする。その声の主はどうやら貯水塔に登っていたらしい。おりてここまでやってきた

「えーと…どなたでしょう」
「三年の高杉」
「へぇ…」
「おまえは」
「あ、坂田名前です」
「坂田ァ?」

そういって眼帯をした高杉先輩は眉をしかめた。あ、なんかこの人カッコイイ。お兄ちゃんとかトシ兄とはちょっと違う大人のかっこよさだ

「おまえ銀時の妹か」
「お兄ちゃんを知ってるんですか?」
「腐れ縁だよ」
「へぇ…」

そんな話聞いたことないけどなぁ…なんて考えてたら手が指し伸ばされた思わず掴むとぐいっと引かれてバランスを崩してしまった。それをさらに高杉先輩に支えられる

「へ?」
「腰抜けてたんだろ?」
「あ、はい」

そうかだから起こしてくれたのか。優しいんだな、ちょっと強引というかなんというかだけど

「ありがとうございます」
「別に構いやしねェよ」
「名前―――エエェェェェエ!?」

ものすごい大きな音がしてはっとその音がしたほうを見るとそこには息をきらしたお兄ちゃんがいた。

「お兄ちゃん!?」
「よォひさしぶりじゃねェか、高杉」
「そうだなァ」

あれ、お友達なんじゃなかったっけ?
二人の間を黒いオーラが包んでいる

「お前にだけは名前はわたさねぇ!!」
「チッ…シスコン」
「なんとでもいいやがれ背低杉」
「…」
「じゃあ、俺はコレで!」

その言葉を聞いた途端高杉先輩はおにいちゃんを追いかけていってしまった
去り際のお兄ちゃんの顔が恐ろしくて目に焼き付いている

ああ、

一体なんなの!!?

新しい日常

(授業終わったのに名前かえってこないアル)
(一体ナニしてんだかねィ)

100116

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