「あのー高杉先輩」
「なんだよ」
「これ全部貰っちゃってもいいんですか?」

これ、と言うのは大きな紙袋から溢れるほどのぬいぐるみ。ゲーセンの商品で、高杉先輩は殆ど一発でこれらを入手していた。
一発と言っても1回二百円のものとかもあって結構金額的に凄いものだと思うんだけど…

「欲しいのだけもらっとけ」
「え?・・じゃあ残りは…」
「来島にでもやれば喜ぶだろ」
「ああ…」

来島、というのは同じクラスの来島また子ちゃんのこと。席が近くて何かと仲良くさせてもらっている。三年生の誰かに夢中になっているとか聞いたけど、高杉先輩のことだったのか…。

「どれにしようかなあ…」
「・・これはお前にくれてやる」

ぽい、と投げられたのは、おっきいキーホルダー。ディ○ニーキャラの尻尾のデザインの奴で、あたしが貰ったのはミ○ーちゃんのやつ。ふ、と視線を上げると高杉先輩がミッ○ーのやつを持っている。え、これってまさか。

「今日の記念、嫌か?」
「へっ!?いや、滅相もない!!嬉しいです。凄く!!」

これは本心だ。嬉しい嬉しい嬉しい!高杉先輩と、おそろとか…!!帰ったらケータイにつけよう。絶対に。

「良かった」
「……!」

良かった、そう言った高杉先輩の顔が今まで見たことないくらい嬉しそうな笑顔だったから思わず見とれてしまった。高杉先輩、こんな顔もするんだなあ…。

無邪気な笑顔に完敗

どきどきどき・・。

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