尾行を続けていた三人は、ぬいぐるみを両手いっぱいに抱えた名前を見ていた。

「あーあー、なにも名前がもつこと無いのに」
「高杉も意外と気が利かねェんですねェ」
「あ、落とした。」

ばらばらと散ばるぬいぐるみ、しかし三人のほうには転がってこなくて、ほっと溜息をついた。

「?高杉どこいくんだ?」
「紙袋でも貰いにいくんだろ」
「あ、あいつらなに」

沖田が指したのはあからさまにガラの悪そうな奴等。様子をみるとどうやらナンパのようだ。名前の顔が嫌そうに歪んだ。

「あいつら…人の妹になんてこと…」
「まて銀時!バレるぞ!」
「ちくしょうっ」

悔しそうに拳を固める銀時。すると目にはいったのはゲーム機のすぐそこにあるマネキン。なぜこんなところにマネキンがあるのかとかそういうのは一切無視して、銀時はマネキンのカツラを剥ぎ取った。

「あ、おま。なにしてんだ」
「助けに行ってくる!」
「まちなせえ、旦那!」

沖田の制止も聞かずに走り出した銀時。沖田と土方は頭を抱えてしまった。無理だ、絶対バレる。





「ふうー危なかったですねィ」
「まったくだぜ、名前が鈍くて良かった」
「…あれで騙されるのも心配だが」

なんと名前は銀時に気付かなかった。名前の鈍さに若干感謝しながらカツラをマネキンに返した。

天然記念物

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