「なあ、今暇?」
「暇じゃないです」
「俺達と遊ぼうよ」
「だから、暇じゃないんです」
「いいじゃん。ちょっとだけ」
「いや、無理ですから」
…この人たち、すっごくうざい。べたべた触ってきて、凄くきもちわるい。怖い。
「あの、あたしもういきますんで!」
「えーちょっと待ってよ」
怖くて仕方なくてその場から離れようとすると腕を掴まれてしまった。どうしよう、助けて
「てめェら何してんだ」
「あァ?文句あんのか」
誰かが助け舟を出してくれた!思わず振り返るとそこにいたのはなんとお兄ちゃんで、あたしは驚きのあまり声も出なかった。お兄ちゃんとチャラい男の人たちは黙ってガンを飛ばしあっている。
「……」
「………」
「……」
「チッ、行こうぜ」
男の人たちが去っていく。あたしは恐怖が薄れてお兄ちゃんの胸倉を掴んだ。どうしてこんな所にいるの!
「お兄ちゃん!?」
「え、お兄ちゃん?」
「お兄ちゃんでしょ」
「違いますよ、通りすがりの一般人です」
「え…?」
たしかに良く見ると髪の色茶色だし、サラサラヘアだ、違う。でも顔はそっくりなんだよな…
「人違いだと思いますよ。気をつけてくださいね名前は可愛いんですから」
「あ、ハイ」
「では」
謎の男性(?)は足早に立ち去ってしまった。あたしはそれを普通に見送った。あれ、何かおかしい。
「おい、どうした?」
「あ、高杉先輩」
高杉先輩が来たので後を追う事もできず、ただその人の後姿を見送っていた。
茶髪でサラサラヘア、死んだ魚の目
おかしい
100317