店内に入って数十分も経たない内に、あたしの両手はぬいぐるみとか、UFOキャッチャーの景品でいっぱいになった。それでも高杉先輩はまだまだ取るつもりのようで、機嫌良さそうにゲーセン内を歩き回っている。
よろよろとそれについて回るあたしはたくさんのぬいぐるみで前が良く見えない。

「…あッ、」
「っと、大丈夫かァ?」

どん、と高杉先輩にぶつかってしまってぬいぐるみが数個落ちた。素早く高杉先輩が反応して一個は拾ったけど、残りのぬいぐるみたちがばらばらと散ばっていく。

「あ…すいません」
「気にすんな。紙袋でももらってきてやらァ」

そう言って高杉先輩が歩いていくうちに急いで腕に抱えているぬいぐるみを一旦置いて散ばったぬいぐるみを拾い集める。
なんとか集め終わってふう、と一息つくと誰かが近づいてきた。高杉先輩かと思い顔をあげると、それはぜんぜん違う、なんだかガラの悪いそうな男の人たちだった。

まさかでしょ、こんな、少女マンガみたいな…

絶対絶命?
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