「おーい、名前!待て…って、あれ?」
慌てて家を出るともう其処に妹の姿はなかった。折角仲直りできたのに、名前はまだ怒ってんのか?呆気にとられてポカーンとしていたらいつもの二人が迎えに来た。
「あれ、どうしたんですかィ」
「名前が居なくて…」
「…あれじゃねぇか?」
土方の指差す方を見るとかすかに何者かに腕を引かれる女子が見える。目を凝らしてみるとそれは紛れも無く高杉と名前だ。
「あのヤロ…ッ」
「まあまあ、アイツのことだからきっと大丈夫でさァ」
「あのなあ…あいつはッ」
「ちったあ名前を信用してやれって、」
土方の言葉に銀時が黙り込む。その様子をみて沖田が笑った。
「とりあえず、今俺達にできる事は二つでさァ」
銀時と土方が沖田に視線を向ける。
「一つはこのまま学校に行く」
「でも…」
「もうひとつは、」
沖田が強調して言った。口を挟みかけた銀時も口を噤んだ。
「アイツらを追いかける。でさ」
土方がガサゴソと煙草を探している。ちらりと銀時に視線を向け、「行くんだろ?」と呟いた。銀時はそれにうなづいた。
「追いかけるぞ」
奴らはだいぶ遠くに行ってしまっていたので走って追いかける羽目となった。
男の探究心
100310