そういえば総悟って名前のことどういう風に考えてるんだろうか

「なぁ、」
「なんでさ」

ボロいアパートは両隣に住人はおらず、とても静かだ

「名前って銀時とまったく違うよな」
「なにを今更、確かにそうですがねィ」
「鼻筋とか、目元とか、髪の色が薄い所とかは似てなくもない」
「なに真剣に分析してんでィ、もっと似てるところがでるでしょう」

総悟と目が合った。ニヤリと湛えられた笑みに同じ顔を返す

「「性格」」

そう、性格がそっくりだ。銀時がシスコンで、名前がブラコン。そしてどちらともなんでも自分で抱え込んでしまう性格をしている。はっきり言ってどっちも厄介な手の焼ける性格をしている。まぁ俺達からしてみればもう慣れたものなのだが、

「だぁれがソックリだってぇ〜?」
「あ、銀時」
「病の妹ほっといてどこいってたんでさ」

音もなく現れたのはきっと鍵をかけなかった扉が建物の傾きで開いてしまっていたからだろう。銀時は扉をしめて、もう開いたりしないように鍵をかけて俺と総悟の間に座った。

「俺と名前は全然違うから」
「案外にてやすぜ」
「名前のほうが可愛い」
「お前が可愛かったらキモイ」

総悟が「そりゃあそうですねィ」と適当に相槌をうつ。いつもどおりに見えて銀時は名前のことを気にしてる。大方高杉のあの件のことだろう。

「そういやお前、コイツと仲直りまだだろ」

そういうと銀時が顔を曇らせた。

「名前だって故意にそういう状況になった訳じゃねェんだ。赦してやんな」
「解ってるけどよー…」

そういう銀時の気持ちはわからない訳ではない。高杉を恨めしく思うのも解る。アイツは俺の妹みたいなもんだから。

「まったく大人げないですねィ」

そういったのは総悟。やれやれ、なんて擬音が似合いそうな顔をしている。「とっとと仲直りしちまいなせェ」、こんな空気もうこりごりですぜ、と珍しく正論を叩く総悟に銀時の顔は更に曇った。

「わぁったよ」

ガサガサとコンビニの袋をあさりプリンやらゼリーやらひえピタやらを取り出す。

「んん…」
「ホラ土方が煩ェから起きちまうじゃねぇか」
「最低だな土方」
「俺かよ!!」

そこからはもういつもどおりの俺達なのだ。

可愛いなぁ

100225
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