きっとあなたは困ったように笑って、そっと私の頭を撫でるのでしょう。
そうすれば私はあなたを離さない訳にはいかなくなるから。ごめんね、なんて陳腐な言葉はなくて。何も言わずに去っていく。ここに帰ってくるために…って、思っててもいい?
いかないで、なんて言えない。悲劇のヒロインにはなれない。あなたを困らせることは承知で、せめてもの抵抗として。掴まずにはいられない。あなたの温度を感じずにはいられない。最後の一時触れた肌が、離れた時の切なさを、私はもう十分に知っているはずなのに。
あなたは何も言わない。
私も何も言えない。
だけど信じる。絶対帰ってくるって。いつまでも待ってるって。
いってらっしゃい
君を連れ去った宇宙船