あかしくん
赤司君、
私はいつも、彼の背中ばかり見ていた気がする。
そしていつも、私ばかり彼を求めていた気がする。
「赤司君、赤司君」
「大丈夫、僕はここにいるから」
まあ、気のせいだったけれど。
彼はきっと誰よりも、弱さを見せれる人間を求めていたのだ。
私が彼に選ばれたことは、偶然でなければ幸福なことでもない。バスケから遠くて、自分から離れない人間が私しかいなかったからだ。そして最終的に私は、赤司君から離れてはいけなくなる。
「名前、」
「どうしたの赤司君」
「名前は本当僕が好きだよね」
赤司君は自信がないのだ。私を拠り所にしないと、今にも崩れ落ちてしまうだろう。
「うん。好きだよ、赤司君が世界で一番好き」
私は赤司君が大好きだ。彼を独り泣かせない為なら、きっとどんなこともできるだろう。
「僕が名前を嫌いになるまで、ずっと僕の傍にいるんだよ」
「はーい」
外は危ないよ、宇宙が落ちてきているし、海は空になって、まるでこの世の終わりさ。それでもぼくと行くっていうのかい。なら仕度してよ、永遠に愛をかわせるように。