私は自分の家でお風呂に入っている。…んだよね?

「よお」
「へっ!?えええええ!?な、なななん、なん、なんなんななんなんで…!」
「まあ細けえことはいいじゃねえか」
「細かい!?これ細かい!?ってふぎゃああああ入ってく、る、なああああぁぁっ」

一応私の彼氏、銀時は一応股間をタオルで隠して風呂場に侵入してきた。酒が入っているのかなんなのか、若干頬が赤い。

いつもだらだらしてるくせに逞しい身体。その肉体美にガンを飛ばしてもまるで気にしない素振りで私のシャンプーで髪を洗い始める。湯船に身を沈める私は、念のため浴槽に乳白色の入浴剤を振りまいた。でも、さすがに銀時も、浴槽には入ってこない…よね?決して広いとは言えない浴槽。無理。むり絶対ムリ。

「あ、あの銀時…あの、なんで」
「……」
「その、一応私達付き合ってますけれども、あの、銀時?聞いてる?」
「…うるせェ」

身体を洗って泡も流したつもりらしい銀時が浴槽に入って来る…ん!?入って…!?

「う、う…」
「なんだよ」
「うぬ…なんでもない、です、はい」

タオルを持ってない私はこの湯船から脱出することも叶わない。できる限り銀時から離れて、銀時を直視しないように俯きながらも、自然と視線は銀時の方へ行ってしまう。

「あ…」
「あ?」
「泡ついてる。首のとこ、ほら」

手を伸ばして泡を取ろうとすると、その手を銀時につかまれ、引き寄せられる。ざぷりと水が大きくうなって、銀時の腕に閉じ込められた。

「あ、あの、銀時、あのね、あの、わたし、はずかし…」
「名前」

こんなに近くにいるのに、お酒の匂いがしない。じゃあ、酔ってこんなことしてるんじゃないの?

「名前、言いたいことがあるんだ。聞いて…くれるか?」

耳元で囁かれる声は少し不安そうで、腰に回されている銀時の手がきゅっと引かれて、私の体温は急上昇した。

「な、に…?」
「あの、な。俺…」

どっくんどっくんと心臓が大きく鳴り響く。だけどそれは銀時も同じようで、銀時の目を見ると、一瞬驚いたように見開かれて、そのあと三日月のように細められた。きゅっと私の胸の辺りが締まる。

「俺と、結婚してほしい」

逆上せたのかなんなのか、そこで私の視界はホワイトアウトした。


高鳴った心臓を誤作動とは言えません


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -