「ああああああああああああああああ!?」
「ぎゃあああああああああドッペルゲンガー!!」
あれ?なんか私、声低くない?のどに手を当ててみる。太!?なにこれ!アレ、なんか私たくましい。
「うへえ?…なにこれ、わたし?」
「ぎゃあああああおっ俺の顔でわたしとか言うんじゃねぇよオオォオ!」
私の姿形をした奴は、蟹股で私を指差し、唾を飛ばしながら私を口汚く罵った。
「アンタこそ私の顔でガニマタやめてよ!」
「ぎゃああああ女言葉アアァ!死ぬウウゥゥウウ」
「ギャーーーーーッ顔をかきむしるな!傷つくでしょ!?」
「……」
「…アレ、なんか俺、小っちゃくねェ?」
「うるさい」
「ん?ってことは?アレ?」
「……」
「…とりあえず、落ち着いて考えようぜ」
「御意」
万事屋のソファに向かい合わせに座る。
「じゃあ…お前、名前なの?」
「…ウン」
「で?俺は今名前のカッコしてる訳?」
「そう。…あのさ、パンツ見えるからガニマタで座るのやめて」
「じゃあお前も内股やめろ。なんかキモイ」
「…確かに銀時が内股だったらキモイ」
「……そうだろ」
まったくテンションの浮き沈みが激しい。私…いや、銀時?とりあえず相手は何故か急にモジモジし始めた。中身が銀時だと思うとなかなか複雑だ。
「あの、名前」
「え?」
「お前、怒るなよ」
「何が?」
「俺が悪ィんじゃねえからな」
「私の顔で口悪くすんじゃねえ。とっとと言え」
「…トイレ、イキタクナッチャッタ」
「………え」
「えええええ!?そ、それってやばいじゃん!なんかヤダ!すげーやだ!信じられないほどやだ!!」
「うるせー俺だって、俺だって…お前の格好で放尿したくねーよ。つかどうやってすんの?だって、こう…ないじゃん?」
「ないじゃん?じゃねエエエエェェエエ!!下ネタ禁止イィ!!戻るまで我慢して!!まじで」
「ウッ…できっかな…できたとしてもその後後悔すんのは名前だぜ」
「ウッ…」
だからって、どうしようもないでしょうよ
私本気でやだ。銀さんの目に映らないように最低限努力するとしても、なんかとっても嫌だ。
彼が彼女で、以下略
「はあああああうっ」
「ど、どうした!?」
「わたしも…なんか…大の方」
「イヤアアアアアアアア!」