「ん…むう」
「起きたかィ」
「ご主人様…ここは一体」
「ああ、ラブホでさァ」
告白なんて一度もない
ご主人様から一通りの説明を受けた。土方君が半狂乱になって春雨を追っていること、何故かケータイが破損したと思われる土方君に連絡できなくて物凄く慌てふためいている山崎さんのこと、銀時がかぶき町中を駆けずり回って私を探してくれていること。
「どんなことがあったかは大抵想像できらァ」
「ご主人様…一体どうすれば」
「ここは…そうだねィ」
そうして顎に手を置いて真剣に悩む素振りを見せるご主人様。私はその姿に素直に感動した。
「ほっときやしょう…なんて言ったって名前は納得しねェだろィ?」
「当然です。不可抗力とは言え…原因は私なのだ。ほっとく訳にはいくまい」
「まあ可愛い下僕のためでさァ、特別に俺が手をうってやらァ」
そう言ってピンク色でハート型のベッドから立ち上がるご主人様。
「…ところで」
「あ?」
「なぜこのようなふしだらな場所に…」
「ああ、あの場所の一番近くで安全な場所といやァ、ここぐれえだったモンでね」
「………」
別に屯所でもよかったんじゃないか、という考えはご主人様の笑みにいとも容易く粉砕された。
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