「んふふ」
「至近距離で笑うな鼻息きもいっつーの」
ぺしんと頭をはたかれる。なんだろう、この、この、言葉にできない。
「…なあ」
「ん?」
はたかれて下を向かされた頭を再び銀時の方に向けると、銀時は光の指す方向、つまりは窓の外をぼんやりながめていた。
「こういうことを言うのかな、幸せって」
「……!」
「なんかこう…先生と居た時、こんな気分だった気がした」
それは、銀時が滅多に口にすることのない人の話だった。今でも私たちの心の奥底で、陽だまりの中で微笑み続けている。
ただ、幸せだ。漠然とそう感じた。
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