「言えって」
「なんでもないから…」
「言え」
「……。」

銀時の真赤な瞳が、私にはもう血の色にしか見えない。銀時が私を心配してくれる眼差しに、戦時中の欠片を漁るなんて。私はもう本当におかしくなってしまったんだ。

「私……ないんだ」
「え?」
「私と銀時は一緒にいちゃいけないんだ」

わかる。銀時が今目をめいいっぱい見開いて信じられないものを見るように私を見ていること。悔しそうに歯を噛締めていること。私が銀時を、哀しませていること。

「なに…言ってんだよ」
「…ごめん。私、悪い子なんだよ。銀時と一緒に居たいのに。血を、」

言葉を噤んだ。銀時には、聞かれたくない。私の醜い部分を、銀時に晒してしまいたくない。一緒にいることができなくても、銀時には嫌われたくなんかない。だけど、きっと銀時のことだから、一言口から出てきた言葉だけで私の考えなんてお見通しなんだろう。私が俯いたままで銀時の表情がわかるように。

「俺だって、夜中、手が」
「え」
「…なんでもねえ」

銀時…。


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