決して、生半可な気持ちで好きな訳ではなかった。今までの、ぬるま湯に浸かるような同級生同士の恋愛とはまったく違うスリルに惹かれたことは否定できない。ただ、若気の至りのようなものと先生に勘違いされてしまうことが悲しかった。
時が経つにつれて分かってくる。あの時の先生の表情が何を物語っているのか。土方君にどんなものを晒してしまったのか。
色んな思いに潰されそうになった時、ベットに飛び込むと同時に放り出していたケータイが振動しながらメロディーを流した。メールだ。今まで考えていた事を振り払うようにケータイを開くと、つい先ほど登録したばかりの土方君の名前が表示されている。緊張なのかなんなのかよく分からない理由で唾を飲み込む。タイトルはない。文面はこうだ


明日から学校に行かないか。

一緒に



一緒に…。さっきとはまた違う意味で心臓が大きく動く。
ああ、気を使ってくれている。
やっぱり、気付かれちゃうよね。

苦し紛れとも自嘲とも取れるようなため息が漏れた。



いいよ、一緒に、行こう

(・ω・)オヤスミ


そう返信してケータイを閉じる。なんだかとても満ち足りた気分だった。




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