「いらっしゃいませー」

銀時君が間の抜けた声で言った。高杉君は休憩室でケータイを弄っている。男子の癖に両手でケータイを弄る高杉君なんて、可愛すぎる。商品を並べながらチラチラ休憩室の方を覗く。開けっ放しはよくないんだけどね、まあいいよね。

「なあに高杉のことチラチラみてんの」
「ひっ!そ…そんなことないよ!」

さっきまでレジに立って女性のお客さんにヘラヘラしていた筈の銀時君が私の真後ろに立って耳元で囁くように言った。背中がぞくぞくする。銀時君も確信犯なんだろう。高杉君がじろりとこっちを見た。若干照れているように見えなくも無い。くそ、かわいいな!

「変態」
「ちょっ変態は銀時君だよ!」
「なんで俺!?」

放課後の時間、銀時君とふたりで居るのもたのしいけど、やっぱり高杉君も居た方が絶対に楽しい。これでお金も貰えるなんてなんて幸福すぎる。初のお給料を貰ったら3人でファミレスに行って盛大に使おう。もちろん私のおごりで。いっつも銀時君がさりげなくお金を払ってくれているのを申し訳なく思っている。

「いきなりボーっとすんなよ」
「あ、ごめんごめん」

つい「お給料を貰ったら」の妄想に花開かせていた私を銀時君が小突いた。高杉君はまたケータイに視線を落として両手でピコピコしている。その時丁度勝手口から店長らしきピンクのカエルが入ってきて、そのかわいらしい(マスコット的な意味で)顔を不機嫌そうにしかめた。

「仕事中に遊ぶんじゃない」

私達は生返事をして休憩所に入っていく。今日の仕事はおわりだ。やりがいというものを久しぶりに感じ…感じ…あれ、私達遊んでただけじゃん。

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