次の日、また昼間にあの弟君がやって来た。

「………」

何を言うでもなく、扉から身体を半分覗かせて私を凝視している。

「…学校はいいの?」

沈黙に耐え切れなくて、私から話しかけた。弟君は表情を変えずに暫く沈黙した後、「授業でやることなんてもうわかってるから、いい」と答えた。思わず私は弟君の姿をまじまじと見つめる。有名進学校の制服。

「あたま、いいんだね」
「兄貴は馬鹿だ」

蔑むような顔をして、深く透き通った瞳をしかめた。
私は手が冷たく冷えるのを感じながら、彼の瞳をじっとみつめた。

「弟君、かわいそうだね」
「…な、に」
「君たちの家の事情、なんとなく分かる気がするよ。間違ってたら私が馬鹿みたいだけど。きっとお家の重圧とかいろいろあるでしょ?銀時君…お兄ちゃんはお家に背いた。君は、そんな銀時君を見て、悔しいんでしょ?」

弟君の顔がさあっと青ざめた。図星だったのかもしれない。

「私は苗字名前。お兄ちゃんと同じ高校に通う、ちょっと馬鹿な普通の子」
「なっ、急に、何…」
「ね、弟君。私と友達になろうよ」

眼をまん丸に見開いて、私を見つめる弟君は、なるほど銀時君の弟だった。ちょっと可愛い。

「…弟君じゃない」
「うん」
「おれ、は、金時」
「よろしくね、金時君。」

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