「…って、そんな訳ないじゃん」
「え?何が?」
「だって、ここ銀時君のおうちでしょ?」
「そうだけど」
「で、銀時くんのお部屋なんでしょ?」
「うん」
「なんか銀時君にしては綺麗な部屋だね…ってそうじゃなくて」
「…なんだ?」
「私が病気なのもなんとなくわかるし、家に両親がいなくてあんまり帰りたくないのも本心だけど、なんで」
「おう」
「なんで、銀時君のおうちにいないといけないの?馬鹿なの?死ぬの?」

寝て覚めて、銀時君がおかゆをあーんした時、なんだか醒めた。なにこれ、絶対オカシイ。

「馬鹿じゃねーよ、死なねーよ。俺と高杉と土方で考えた結果こうなったんだよ」
「どうして…訳わかんない」
「あのね、大したことないけど、お前の病気は、一般家庭で一人でなんとかできる程の大したことなさじゃねーの。だから俺んちにいるの。わかる?」
「わかんない」
「あーのーねぇ」

銀時君が首をコキコキならしてめんどくさそうな顔をした。私の不満は募る。

「もうお前寝ろ、その口が喋らねーように寝てろ」
「残念、もうたっぷり寝てちっとも眠気なんかないもんね」
「あーそうかよ。もういい。とりあえずその粥食っとけ」
「あ、うんありがとう」

れんげでふやけたご飯を食べる。丁度よく塩味がきいていて、甘みを感じる。おいしいお粥だ。

「これ、銀時君がつくったの」
「あ?そーだけど?」
「…ふうん」
「何?まずい?」
「ううん、超おいしい」

私にしては珍しくぽろりと本音が零れ、私も銀時君もおどろいた。銀時君は少し驚いたようすで、それでも少し嬉しそうだったから、だから。

「しかたない」
「は?なにが」
「こんなに美味しいお粥が食べられるんだったら、いてもいいよ。銀時くんち」

心配かけたんだなあ、って、思った。どうせうちに帰っても誰もいないんだったら、せめて病気の時くらい、誰かに甘えたっていいんじゃないかって、思った。それだけ。

「素直じゃねえなあ」
「おかげさまで」

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