「はい、給料」

相も変わらず間抜けな顔をしたピンクのカエルが、平凡な茶封筒を三枚私に手渡した。それぞれに名前が書いてある。

「本当は3人にそれぞれ渡したかったんだけどね、僕これからどうしても出なくちゃいけないから、君、あの二人にそれ渡しといて」
「あ、はい」

そしてあっさりとカエルはコンビニを去っていった。私の手元に残された三枚の茶封筒。銀時君と高杉君が来るまで、あと10分位しかないのに。呆気にとられてレジに立ち尽くしていると、学校でよく見る茶髪がコンビニ内に入ってきた。

「い、らっしゃいませー」
「おい苗字」
「……」

あと十分位しかないのに!!沖田君は明らかに私に用があって来ている。もしも今前みたいに商品の棚を崩されたりなんかしたら二人が来るまでに直せない。ど、どうしよう。
せめて馬鹿にされないように一生懸命沖田君の目を見た。相変らず寂しそう。何を考えてるんだろう。どうすれば、どうすれば仲良く出来るんだろう。

「お前さあ、」
「は、はい」
「なんでアイツらと一緒にいんの?」
「…それは」

それは、あまり触れられたいことじゃなかった。むしろそっとしておいて欲しかった。

「どうしてそんなこと、」
「別に、興味があっただけでさァ」
「じゃあ、言いません。」
「そうかィ、土方とのことについても聞こうと思ったんですけどねィ」
「それは…ただ仲良くしてもらってるだけです。」

沖田君の表情を伺いながらそう言うと、沖田君は急に無表情になって「ふうん」と独り言のように吐き出した。
こんな話をしている内はいいが、いつ沖田君が乱暴物になるかなんてわかったもんじゃない。早く釘を打って、ご帰宅頂かなければ。

「ところであの、提案なんですが」
「なんでィ」
「銀時君と高杉君が居る時に、私にちょっかいかけないで下さい」
「そりゃあ…」

沖田君が微妙な表情をする。やっぱりだめか。

「ま、いいですぜィ。じゃあ俺はかえりやす。」

あら。

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