「せんせえ…」
「なんだよ、辛気臭ェな」
「沖田君って…本当は優しいいんですよねー?」

先生はまるで何も聞かなかったかのように五秒間ほど煙草をふかした。私が怪訝に思って言い直そうとすると、急に口を開いた「ああそうだ。今はひねくれちまってるがな」

「なんだか、可哀想です。疑心暗鬼になってるみたいで」
「…オメーはまず自分の心配をしろ」
「うん…そうだよね、私、沖田君狼に襲われるか弱い子羊ちゃんだもんね…」
「なんかお前今日キモイ」
「酷いッ」

土方先生は、蛇口に繋がれたホースからじゃぼじゃぼ水を滴らせたまま煙草をふかしている。
花壇に撒かないなら水止めればいいのに。

「総悟は…俺のせいなんだ、多分」
「多分?」
「ああ、原因に話たくなんかないだろ、あいつも」
「……それはちょっとわかります」
「傷つく」

早朝の静かなこの時間が、私は好きだ。土方先生も好きだ。銀時君たちも勿論大好きだ。そして、私の予想ではきっと、沖田君も好きになれると思うんだよなあ…。

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