「どうしたの佐助くん」

「…あ、いや。なんでもない」


俺様としたことが、すっかりこの子の話を聞いてなかった。昨日竜の旦那に言われた言葉が脳をかすめる。


「お弁当、たべよう?」

「うん、そうしよう」


二人分の弁当箱を取り出して、今日はいつもより寒かったから屋上はやめて教室で食べる事にした。二人で弁当箱を広げるとあの子がかすがの姿を見つけて一緒に食べようと誘った。
かすがは俺様のことを一瞥して、「そうだな、そうさせてもらおう」と俺様の斜め後ろのイスに座った。つまりあの子の隣、竜の旦那の席だ。