「真田ンとこの猿が随分お熱じゃねーか」

「竜の旦那…」


ニヤニヤと笑んでいるこの男に俺は極力一対一で関わりたくない。竜の旦那も竜の旦那で、それを分かって意地悪く俺に絡んできているようだ。しかも色恋沙汰とは、竜の旦那も趣味の悪い


「まァ、たしかにアイツはお前によく懐いてるしなによりかわいい」

「はあ…」

「お前だってそう思うだろ?なあ、」


たしかに俺のところに笑顔で駆け寄ってくる姿や弁当を食べている時の表情は幼い頃の旦那を連想させる。オカンの異名を持つ俺としては確かにかわいいと感じざるを得ないだろう。それは認める。だが、


「それと竜の旦那に、なんの関係があるって言うのさ」

「質問には答えろよ、まあ。完結にいえば俺はアイツが好きだ」


あの、学校一の美男子と呼ばれる伊達政宗ともあろう方がばっちり化粧をして己のために着飾るナイスバディなギャル軍団を差し引いて平々凡々な…しいて言えばやけにおっとりした、あの子を選ぶなんて。