「やっぱり名前ちゃんと佳主馬は仲良しね」
「やっぱりって何さ」
「だって、初めて会った時も凄く仲良しになったじゃない」
「………」

そう言って聖美さんが笑う。あたしたちは今、上田というところに向かう新幹線に乗っていた。昨日の今日でこういう乗り物にのるあたしはちょっと疲れていたけど、文句は言えないから大人しく佳主馬くんの隣に座っていた。向かいには聖美さんとたくさんの荷物が座っていて、駅で買ったお弁当を皆で広げていた。それにしても、あたしと佳主馬くんが初めて会った時って、一体どんな感じだったんだろう。

「もうすぐ上田に着くわね」
「…あの、何をしに行くんですか?」
「大おばあちゃんの誕生会だよ、全然人手が足りなくて困ってるんだ」

佳主馬くんが冷静な顔で言う。聖美さんがそれに相槌を打って笑う。誕生会のためにわざわざ新幹線にのって行くなんて、きっとすごいおばあさんなんだろうな。お腹がいっぱいになってしまって食べ切れなかったお弁当に視線を落としながらたくさんの人に必要とされているだろうおばあさんを羨ましく思っていたら、不意に新幹線が止まった。どうやら、上田についたらしい。

  
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