そういえば、侘助さんにどうして帰ってきたのかの理由をまだ聞いてないや。そんなことを帰りのバイクの中で、健二さんの足のあいだで考えた。無事に帰ってきて、もう健二さんが居なくなるのは嫌だからぎゅっと手を握って歩いていたら、夏希さんに笑われてしまった。綺麗な笑顔。それとはうらはらに、納戸に居た佳主馬くんは不機嫌オーラを漂わせていた。気まずいから、佳主馬くんの一番遠く、夏希さんの隣に座って、ノートパソコンの画面を見た。

「AIだよAI

"人工知能"」

画面に佐久間さんという人が本を広げている姿が映し出される。あの恐い顔をしたアバターは、誰かが操っているという訳ではないらしい。膨大なデータが、彼を動かしているようだ。彼の名前は「ラブマシーン」マシーンに愛なんてあるのかな、なんて考えるけど、答えはきっと見つからないんだろう。

佐久間さんの説明が早口で難しくて、皆が驚きを隠せないような表情で説明を聞いているのを尻目に、あたしはただ聞き流していた。そんああたしを見た佐久間さんが、あたしと目を合わせて「聞いて驚くなよ」とにやりと笑った。

「大統領のアカウントを盗めば、核ミサイルだって撃てるかも」

そ、それは大変だ。


  
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