もう完全にあたしは取り残されていて、邪魔しちゃ悪いだろうから、その場を離れようと思った。静かに襖の近くに行って、廊下に顔を出すと、聖美さんが歩いてきた。
「ちょっと佳主馬ぁ」
あ、だめ、邪魔しちゃ、だめ
「ゲームばっかりしてないで、少しは下の子たちの面倒みなさい。もうすぐお兄ちゃんになるんでしょ?」
声が出なかった。健二さんが出てきて、事情を知っている健二さんは聖美さんを説得している。
「ユカイ犯発見!」「タイホだタイホだ」
「ちょ、君たち…」
小さい子ども達が健二さんを見てこっちに寄ってきた。勢いよく走ってきて、思いっきりあたしにぶつかった。
「いっ…」
きっと微妙に襖にかくれてあたしの姿が見えなかったんだろう。全力でぶつかってきた。痛い。そのまま小さい子たちは佳主馬くんのほうに走っていって、それに気を取られてしまって、
あたしのせいだ
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