健二さんがログインに手間取ってる間に、あたしはなんとか状況を飲み込む為に自分のケータイでOZを開いてみた。すると一体どういうことなのか、昨日の夜まではなんとも無かった筈のOZ内が信じられないほど荒れているのだ。ケータイからは詳しい情報を得られなかったけど、ニューストピックスから健二さんがOZのセキュリティをといてしまった疑いがあることは知ることができた。そして健二さんのケータイが鳴って、「ぼ…僕が解きました…」という言葉に、それが疑いではなく事実なんだとあたしに訴えた。嘘、あの健二さんが、そんなまさか。

「何かのクイズかと思って…解いて返信した…」
「このバカ!!どんだけ数字オタクなんだよ!!」
「……!」

呆然としているあたしの横で、佳主馬くんが目を丸くして「スゲエ」と呟いた。佳主馬くんでもこんな風な言葉遣いするんだ。電話の相手のひと…佐久間さん?はこっちにも聞えるくらいの大声で話している

「とりあえず別アカとっといた。しばらく使っとけ」

性格の割にはしっかりした人のようで、健二さんの近くにPC機器があることを確認するとゆっくりIDとパスワードを読み上げた。

「と…とにかく、中で犯人捕まえないと…」

見慣れたログイン画面。そして黒い鍵穴からポコンとかわいらしい音を立てて出てきたのは、黄色いリスだった。あんまり可愛くはない。どっちかというとぶさかわ?「これが…僕?」健二さんもあんまり気に入ってるわけではないようで、変な顔をして苦笑いした。となりで「ケンジ!」と発言しているサルのアバター、どうやらこれが佐久間さんらしい。佳主馬くんはずっと無表情でパソコンの画面を見ている。

「犯人は中心部だ、急げ!」
「う…うん!」

  
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